ポータブル電源は持ち運びできる大容量のバッテリー(充電池)で、充電しておけばいつでもどこでも家電などが使えるとても便利なものです。
キャンプで使うのはもちろん災害対策もできるとあって、購入する人が増えてきているようです。
災害対策として自治体が確保したりもしています。
ですが購入を考えてメーカーホームページなどを見ても、用語がちんぷんかんぷんだったりする人もいるのでは?(私がまさにそうでした。)
今回はポータブル電源の購入を検討している人へ、ポータブル電源の基本をわかりやすくお伝えしたいと思います。
ポータブル電源の最大のメリットは安心感
私はEcoFlow(エコフロー)のRIVER Pro(リバープロ)容量720Whを持っています。
購入してからはキャンプ中のスマホの充電切れを気にしなくてよくなりました。
複数人と行けばたとえスマホが使えなくなっても問題ありませんが、ソロキャンプではそうはいきません。大袈裟ですが充電切れ=撤収ということもあるかもしれません。
家族が心配しますし、何かが起こったときに誰かと連絡が付くようにしていないと困ることもありますから、すぐに充電を開始できるポータブル電源は助かります。
扇風機などの家電が使えるのも嬉しいポイント。
キャンプに行くと楽しさとは別に、日常がどんなに恵まれているか痛感しますよね。
夏場は扇風機のありがたさが身に沁みます…!
また、災害の備えの心強い存在となります。私は持病があり電気を使えない状況になった場合困るのですが、電気を使える方法が確保できているとそれだけで安心です。
ポータブル電源を選ぶときに出てくる用語
ポータブル電源を購入するときに最低限確認しなければいけない用語があります。
それは「容量・定格出力・出力ポート・ポータブル電源への充電方法」の4つです。
選ぶうえで最低限検討しなければならない項目ですので、覚えておいてくださいね。
容量
どれくらいの量の電気を溜めれるかを表します。
単位は「Wh(ワットアワー)」。
これは「〇〇Wのものを1時間(1h)動かせる量を溜められる」という意味となります。
例を挙げれば、「720Wh」であれば「720Wのものが1時間動かせる量を溜められる」というわけですね。
ですがここで注意!
勘違いしがちですが、720Wの消費電力のものが動かせるという意味ではありません。あくまでここの数字は「電気を蓄えられる量」。
どれだけの消費電力のものが動かせるかは、次の「定格出力」を確認する必要があります。
定格出力
どれだけの消費電力のものを使えるかという数字です。
単位は「W(ワット)」。
使いたい電化製品の消費電力はメーカーのホームページで簡単に調べられます。
定格出力以上のものを使おうとしても使えなかったり、期待する性能が出ませんので確認は必須ですね。
定格出力のほかに最大出力という項目があるポータブル電源もあります。
これは瞬間的に出せる最大の出力という意味で、たとえば石油ファンヒーターなどの点火時(起動時)に余計に電力を使用するものをどこまでカバーできるかという目安になります。
ですがこれはあくまで補助的な数値となりますので、購入の際に確認するのは定格出力となります。
出力ポート
どんな種類のポートがあるかも大事なポイントです。
AC100Vコンセント・USB-A・シガーソケット、USB-Cがあります。
USB-Cは最近需要が高まっており、今後主流になっていくのではないかと思われるのでここまで対応していれば完璧です。
ですが使わないポートがあっても仕方ないので、「どんなポートが何個必要か?」をよく考えてみましょう。
AC100Vについては注意点があります。
電化製品の多くはDC(直流)電源で動いているので、AC(交流)電源をDC電源に変換する必要があります。
そこでポータブル電源ではインバーターという装置で変換しているのですが、変換された波形には「純正弦波・修正(疑似)正弦波・矩形波」という3つの種類があります。
電気の波の形によって分けられているのですが、修正(疑似)正弦波や矩形波のポータブル電源は安価ではあるものの使えない電化製品が多くあります。
ポータブル電源は「純正弦波」のものを選ぶのが間違いないと思います。
ポータブル電源への充電方法
ポータブル電源自体の充電はたいていは家庭用のAC100Vで充電することが多いと思います。
そのほかにはシガーソケット(DC12V)でも充電できます。
ソーラーパネルからも充電できる機種もありますが、およそ10V~15Vくらいなのでメインの充電方法とするには難しいです。キャンプ2泊目に晴れていれば補助的に使うという感じになると思います。
また機種によっては本体とは別に拡張バッテリーがあるものも。本体側の充電を使い切ってしまってもケーブルをつなげば使えるようになります。
また、充電にかかる時間も見ておきたいポイントとなります。
メーカーや容量にもよりますが通常6時間前後かかります。キャンプで使用するのであれば前日に充電の確認が必要です。
ですがうっかり忘れたときの救世主、2時間足らずで充電できる機能があるポータブル電源も存在します。
そのほかの機能
アプリ連携
ポータブル電源の状態をアプリで確認できる機種があります。離れた場所からでも現在の充電残量などがひと目でわかります。
拡張バッテリー
本体の充電を使い切っても拡張バッテリーを繋げば給電を再開できます。
大容量のポータブル電源を買わなくても、キャンプ1泊なら本体のみ、2泊以上なら拡張バッテリーも持っていくというふうに使い分けができますね。
ライト
まあまあ明るいライトがついている機種もあります。
私の持っているポータブル電源は、SOSのモールス信号の機能もついています。
用途によって容量を選ぼう
容量は200Whの小容量のものから、1000Whを超える大容量のものも。
大は小を兼ねると言いたいところですが、容量は大きさ・重さ・そして価格に比例します。
車などに積める荷物は限られていますから、「どこでどんな目的で使うか」によって最適な容量を選びましょう。
電化製品の消費電力の目安
あくまで参考値ですが、キャンプや車中泊で役立ちそうな電化製品の消費電力を挙げておきますので目安にしてみてください。
正確にはメーカーホームページなどでご確認くださいね。
扇風機
風量にもよりますが50Wには収まります。
200Whほどの容量の小さいポータブル電源でも4時間ほど動く計算となります。サーキュレーターも同様です。
ポータブル電源で動かす家電、第1位かもしれません。
石油ファンヒーター
点火の際は一時的に300~400Wほど消費しますが、火が点いてしまえば100W前後となります。中には省エネタイプで強の設定でも10Wを切るものもあります。
キャンプに持っていくのは重いですし安全面から考えても注意が必要ですが、災害対策の観点から考えると心強いです。
電気ホットプレート
1000Wを超えるものがほとんどなので使用はできないと考えた方がいいですがですが、1000W未満のものもあります。
ですが火力に物足りなさを感じることもあるので、ホットプレートを使うのであればカセットボンベのホットプレートをおすすめします!
電気ケトル
1300Wくらいが主流ですが、500W以下のものも。
火力が重要なホットプレートとは違い、多少余計に時間がかかってもお湯が沸きさえすれば十分なので、キャンプでの使用を考えてみてもいいかなと思います。
電気毛布
電気毛布は大体50~100Wです。冬にベッドマットに敷いたり、寝るまでの間にシュラフに入れて温めておくと幸せですよ。(低温やけどには注意です)
電気カーペット
1畳用で約200W、3畳用で700Wを超えるのでポータブル電源での使用は厳しいです。
キャンプ場で使うのであれば電源サイトは必須ですね。
ポータブル電源の取り扱いの注意点
ポータブル電源の電池はリチウムイオン電池が主流です。自然放電が少なく、繰り返しの充電に向いている電池です。
この電池の取り扱いで気をつけたいことがあります。
満充電で放置すると劣化が早まる
満充電の状態で保管しておくと電池の劣化が早くなります。
一般的に言われる劣化しにくい残量は40%前後ですが、それでは災害対策としては機能しませんので、キャンプ専用にするのであれば保管の際は満充電せずキャンプ前日に再充電する・災害対策として置いておくなら満充電はやむなしと割り切るしかないと思います。
暑いところに放置しない
直射日光の当たるところに継続して置いたり、車内に置きっぱなしにしないようにしましょう。発火の恐れがあります。
リチウムイオン電池が耐えられるのは摂氏45℃まで。日本では通常の使用には問題ありませんが、極端に暑くなるところには置かないように気をつけてください。
残量ゼロで保管しない
残量ゼロになった状態で保管し、完全に放電しきってしまうと電池がダメージを受けて壊れる可能性があります。壊れていることを知らずに使おうとすると発火の危険もあります。
まとめ
ポータブル電源を購入するときには、使用の目的をしっかりシミュレーションしましょう。
容量はどれくらい必要か?
どれくらいの消費電力のものを使うか?
出力ポートは何が何個必要か?
ポータブル電源本体の充電はAC電源のほかに何が必要か?
万一の備えにもなる大事なものなので、よく検討してみてくださいね。